あらゆるボーダーを超えていこうとする人たちに贈る「Cross Border Café」と「akta tag tour」のコラボレーションイベント。
HIVを持っていても、そうじゃなくても、私たちはもうすでに一緒に生きてる。We’re already Living Together.

開催リポート

「性と恥」をテーマにCross Border Café × akta tag tourを開催し、37名の方が参加しました。

田亀源五郎さんとブルボンヌさんによるトークでは、性表現をめぐる考え方や、『弟の夫』に込めた思いや制作裏話など、楽しいながらも発見に満ちた内容でした。

パフォーマンスでは、こちらも「性と恥」をテーマに肉襦袢ゲブ美さん、ブルボンヌさんの抱腹絶倒のドラァグクイーン・ショー、マダム ボンジュール・ジャンジさんの軽快なパフォーマンス、JUZUさんの妖艶な歌唱をそれぞれ披露してくださいました。

交流タイムでは、DJ JUNYAさんの音とEagle Tokyo Blueさんの素敵な会場で、来場者の皆さんが和気藹々とした雰囲気だったのが印象的でした。

参加者 37名

2015年から連続で開催しているゲイ・トランス男性による合唱ミニ・コンサートです。このイベントのために集まったメンバーが、心を込めて歌います。豊かなハーモニーをご堪能ください。

■趣旨に賛同したメンバー約40人
■指揮 なおき / Piano ようた
■曲目
・Climb Ev’ry Mountain
・さやかに星はきらめき(O Holy Night)
・すてきなホリデイ
・ロマンスの神様
・中森明菜メドレー
・上を向いて歩こう

■挨拶:上村 悠(SH外来 / ACC医師)

■朗読:SHOGO (MR. GAY JAPAN)

今年の合唱メンバーは、U=Uの趣旨に賛同して、このTシャツを着て歌います

U=U(Undetectable = Untransmittable/検出限界以下なら、感染しない)というメッセージは、効果的な抗HIV治療を受けて血液中のHIV量が検出限界以下のレベルに継続的に抑えられているHIV陽性者からは、性行為で他の人にHIVが感染することはない、ということを表すものです。近年多くの国際的な研究によって、このU=Uの科学的エビデンスが確認されました。
多くの人がこのU=Uのメッセージを知ることで、自分自身とHIVとの付き合いかた、パートナーとの関係をより良いものにし、さらには社会におけるHIVに関連したスティグマ(負の烙印)を減らすことにつながります。

開催リポート

Gay Men’s Chorusは、国立国際医療研究センターの皆様のご協力を得て4回目の開催となりました。ゲイ男性、トランス男性のメンバー36名が参加しましたが、合唱経験も様々で、普段から歌っている、初体験、このイベントだけで歌うなど多様でした。今回は、U=U(Undetectable = Untransmittable/検出限界以下なら、感染しない)というメッセージTシャツを着て、HIVへの差別・偏見を無くすために歌いました。会場には、入院中の方も含めて多くの聴衆が集まってきました。HIV陽性者による手記の朗読は、MR.GAY JAPANのSHOGOさんにお願いしました。 今年は、クリスマスに因んだ曲も演奏し、みなさんと一緒に楽しい時間を過ごしました。
参加者 約100名

コーラス参加者2名の感想をご覧ください。

「音楽が人との出会いを運んでくれる」 ようた

20代後半、アラサーのゲイです。昨年から活動を開始したばかりの新米で、現在は男声合唱のサークルに所属しています。

TOKYO AIDS WEEKS 2018のイベントとして、今回で4度目となる合唱コンサートが開催されました。僕は初参加で、ピアノ伴奏・編曲担当として一緒に演奏させて頂きました。

メンバーは全員ゲイの仲間。合唱経験の有無はそれぞれで、中には遠方から参加してくださった方もいます。年に一度の、特別な合唱団です。Xmasソングを中心としたプログラムは盛り上がり、ほっこりと楽しい演奏会になりました。

音楽には、人と人を繋ぐ磁石のような力があります。僕自身、合唱サークルに入ったことで仲間ができましたし、そのご縁で今回のコンサートにも参加させて頂けました。ゲイとして活動を開始したこの一年の間に様々な出会いがありましたが、その多くは音楽が導いてくれたものです。

今回のイベントのテーマである「U=U」も、演奏会への参加をキッカケに知りました。HIVウイルスに感染しても、適切な治療を受けることでパートナーへの感染リスクを限りなく低く抑えることができるというものです。こういった知識を得る上でも、重要になってくるのはやはり、コミュニティや人との繋がりなのかなと感じます。

僕らには友達や仲間が必要ですし、広く社会との関わりを持ち続けることも必要です。その上で、音楽はひとつの機会になり得るのかもしれません。他人同士でも、理解しあい、呼吸を合わせ、一緒に歌うことができれば……僕らはもっともっと、自由に生きていけるのかもしれないですね。

「コーラスに初めて参加して」 ナベ(49歳会社員)

「コーラス?超やりたい!」すみません、参加の動機はこんな軽いものでした。経験は全くありませんでしたが、練習では和やかな雰囲気で丁寧に指導してくださり、自習用の音源を用意してくださったおかげで、楽譜が読めない私でもついていくことが出来ました。男声合唱は迫力があって、ハモると、とっても気持ちいい!「上を向いて歩こう」など心に響く名曲はグッときました。練習の時からずっと楽しかったです。

本番ギリギリまで練習して、いよいよという時、少し緊張しました。何故かというと、自分がゲイとして人前に立つのが初めてだったからです。普段、会社ではゲイであることをオープンにしておらず、どちらかというと、バリアを張って生きて来ました。そんな自分が今、ゲイコーラスに参加している。自分のセクシャリティーに悩んでいた数十年前ならあり得なかったことです。同じ仲間に囲まれ歌を歌う。客席の笑顔と暖かい手拍子、とても嬉しくなりました。自分も世の中も、少しずつ変わっている。多様性が尊重されはじめ、情報としてゲイは身近な存在となりつつある。それは、このイベントのように、色々な方々が正確な情報を伝えてきてくれた、その積み重ねでもあると感じました。このイベントの趣旨についても、改めて考えさせられました。今回参加させていただいて本当に良かったです。お世話になったみなさまに心から感謝いたします。

HIV陽性者の中には、ろう者もいます。20代の時にHIV感染が分かった聴覚障害のあるAさんは、まさか自分がHIVに感染するとは思っていなかったとのこと。「自殺を考えたこともある」と言います。
HIV感染の予防と治療には情報が必要です。現在は、インターネットや動画、パンフレットなどで情報を得やすくなりましたが、ろう・難聴者たちはそこから抜け落ちてしまっています。手話が第一言語である人たちの中には、在日外国人と同様に専門的な内容を日本語で理解することができない人もいます。

そこで、聞こえる人、聞こえない人どちらにも伝わるよう手話と字幕、音声付きのHIV/エイズ予防動画を12月1日の世界エイズデーに向けて制作しました。

クラウドファンディング実施。(2019年1月31日まで)
https://motion-gallery.net/projects/hiv-movie

開催リポート

「手話と字幕で分かるHIV/エイズ予防啓発動画を制作して」

啓発動画を制作するまでは私は薬害エイズのイメージが強く、重篤な病気と感じていました。専門医師やぷれいす東京の代表のお話を伺ったり、HIVやエイズを調べたりする中で、現在は投薬などの治療で日常生活ができることを知りました。また特定の人がかかる病気ではなく、誰もがかかる可能性があることも。予防のためには正しい知識を得ることが大切という思いを強く抱くようになりました。

動画を公開すると「手話のお蔭で理解することができた」というろう者だけでなく、手話の教材が少なかったので有難いと歓迎する先生もいらっしゃいました。印象に残ったのは元保健体育の先生の感想です。「一般の学校に通う、ろう・難聴の生徒にとっても手話や字幕があるので分かりやすい。聞こえる生徒と一緒に学ぶことができます。最高の教材です!」

私は小中学校は地域の学校に通っていました。当時、私は手話を知りませんでした。この動画は字幕もついているので、手話を知らない難聴の生徒のためにもなるのだと気づき、嬉しくなりました。

多くの方々の応援とご協力のお蔭で動画を完成させることができ、心から感謝しています。本当にどうもありがとうございました。

今村彩子(Studio AYA)

動画は下記よりダウンロードできます。
https://studioaya-movie.wixsite.com/11kimi/hivaidsyoboumovie (約1.4GB)

12月1日にVisual AIDSが[アートの(ない)日]のためにニューヨークで世界初上映する映像作品を字幕付きで日本初上映。アメリカの6つの刺激的な団体による短編ビデオを通し、AIDSアクティビズムにおけるアートと今日のアドヴォカシーの影響を紹介する。彼らの幅広い戦略(直接的なアクションから全国的なムーヴメント構築のための草の根運動まで)を通し、それぞれがどのようにクリエイティブな方法で今も続くAIDS危機に対して活動してきたのかを浮き彫りにする。参加団体はACT UP NY、Positive Women’s Network、Sero Project、The SPOT (Safe Place Over Time)、Tacoma Action Collective、VOCAL (Voices Of Community Activists & Leaders)。

上映時間は40〜50分を予定。
詳細はこちら: http://normalscreen.org/

開催リポート

ニューヨークのVisual AIDS企画による60分の新作ビデオを字幕付きで日本初上映しました。劇的な政治状況の只中にある現在のアメリカでは、過去のアクティヴィズムを振り返りインスピレーションを求める人やそれを紹介する団体などが多くありますが、Visual AIDSはあえて今のアメリカでHIV/AIDS/貧困/人種差別の問題などに関し行動をおこしている6団体に紹介ビデオの制作を依頼しました。本企画にはアクトアップや彼らのように過激な抗議運動も含まれますが、HIVへのスティグマに加え、人種差別にくるしむ人々の姿も紹介されました。彼らには癒しと回復も必要であり、そのために飾らない表現(絵画、詩、ダンスなど)を促す支援団体の活動も興味深い内容でした。

場を提供してくださったコミュニティセンターaktaのみなさんの協力のもと、30名ほどの鑑賞者と作品を共有することで、ニュースを見るだけでは得られない情報やニュアンスをつかむことができたのではないかと思います。この上映から鑑賞者それぞれが日本での状況もふまえ考えたり話したりしてくれることを期待しています。

参加者 30名

世界エイズ・デー記念礼拝は1995年から毎年、世界エイズ・デーに近い日曜日に開かれています。キリスト教の形をとって礼拝がなされていますが、いかなる宗教の方々や無宗教の方々の参列も歓迎しています。今年のメッセンジャーには、日本のLGBTシーンを見守り続けてきた大塚隆史さん(造形作家/新宿 バー・タックスノット店主)をお迎えしています。どなたでもお越しください。

開催リポート

「第24回世界AIDS・DAY記念礼拝」報告

毎年私たちは、世界エイズ・デーに一番近い日曜日の夜に記念礼拝を捧げている。このプログラムは、HIV/Aの方がたが生の尊厳を確信できるように、またエイズで亡くなった人びとを憶え、共に祈り、交わりの回復を願って決意を新たにする機会となるよう、日本聖公会東京教区人権委員会、宗教とLGBTネットワーク、カトリック中央協議会HIV/AIDSデスク、ルーテルHIV/AIDSプロジェクトが共催している。

今年は24回目の開催となり57名の方が参加された。礼拝では、PWH/Aの方と支援者に、毎年交互にメッセージをいただいているが、今年は、LGBTシーンを見守り続けてきた大塚隆史さん(バー・タックスノット店主)をお迎えした。大塚さんは、11年連れ添ったパートナーをAIDSで亡くしたとのこと。“医師から、友人にも内緒でいなさいと忠告されたパートナーの死を、周りに打ち明けてから、店にくる客からHIV感染をカミングアウトされるなど信頼される人間に成長した気がする。パートナーからのプレゼントと思っている”と話されていた。

HIVの感染を告げただけで、会社を解雇されたり、差別されている人びとがこの日本にはたくさんいるのが現実である。これからも、新たな一歩を踏み出す祈りを共に続けていきたい。

佐々木國夫(日本聖公会東京教区人権委員会)

参加者 57名

最新情報

UPDATE! いくつ知っている?

U=U 検出限界以下なら、感染しない

U=Uというメッセージは、効果的な抗HIV治療を受けて血液中のHIV量が検出限界以下のレベルに継続的に抑えられているHIV陽性者からは、性行為で他の人にHIVが感染することはない、ということを意味しています。いくつかの大規模な研究によって、このU=Uの科学的エビデンスが確認されました。
多くの人がこのU=Uのメッセージを知ることで、ご自分とHIVとの付き合いかた、パートナーとの関係をより良いものにし、さらには社会全体のHIVへの差別や偏見を一緒に無くしていきましょう。

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