Gay Men’s Chorus for TOKYO AIDS WEEKS 2018
2015年から連続で開催しているゲイ・トランス男性による合唱ミニ・コンサートです。このイベントのために集まったメンバーが、心を込めて歌います。豊かなハーモニーをご堪能ください。
■趣旨に賛同したメンバー約40人
■指揮 なおき / Piano ようた
■曲目
・Climb Ev’ry Mountain
・さやかに星はきらめき(O Holy Night)
・すてきなホリデイ
・ロマンスの神様
・中森明菜メドレー
・上を向いて歩こう
■朗読:SHOGO (MR. GAY JAPAN)
今年の合唱メンバーは、U=Uの趣旨に賛同して、このTシャツを着て歌います
U=U(Undetectable = Untransmittable/検出限界以下なら、感染しない)というメッセージは、効果的な抗HIV治療を受けて血液中のHIV量が検出限界以下のレベルに継続的に抑えられているHIV陽性者からは、性行為で他の人にHIVが感染することはない、ということを表すものです。近年多くの国際的な研究によって、このU=Uの科学的エビデンスが確認されました。
多くの人がこのU=Uのメッセージを知ることで、自分自身とHIVとの付き合いかた、パートナーとの関係をより良いものにし、さらには社会におけるHIVに関連したスティグマ(負の烙印)を減らすことにつながります。
開催リポート
Gay Men’s Chorusは、国立国際医療研究センターの皆様のご協力を得て4回目の開催となりました。ゲイ男性、トランス男性のメンバー36名が参加しましたが、合唱経験も様々で、普段から歌っている、初体験、このイベントだけで歌うなど多様でした。今回は、U=U(Undetectable = Untransmittable/検出限界以下なら、感染しない)というメッセージTシャツを着て、HIVへの差別・偏見を無くすために歌いました。会場には、入院中の方も含めて多くの聴衆が集まってきました。HIV陽性者による手記の朗読は、MR.GAY JAPANのSHOGOさんにお願いしました。 今年は、クリスマスに因んだ曲も演奏し、みなさんと一緒に楽しい時間を過ごしました。
参加者 約100名
コーラス参加者2名の感想をご覧ください。
「音楽が人との出会いを運んでくれる」 ようた
20代後半、アラサーのゲイです。昨年から活動を開始したばかりの新米で、現在は男声合唱のサークルに所属しています。
TOKYO AIDS WEEKS 2018のイベントとして、今回で4度目となる合唱コンサートが開催されました。僕は初参加で、ピアノ伴奏・編曲担当として一緒に演奏させて頂きました。
メンバーは全員ゲイの仲間。合唱経験の有無はそれぞれで、中には遠方から参加してくださった方もいます。年に一度の、特別な合唱団です。Xmasソングを中心としたプログラムは盛り上がり、ほっこりと楽しい演奏会になりました。
音楽には、人と人を繋ぐ磁石のような力があります。僕自身、合唱サークルに入ったことで仲間ができましたし、そのご縁で今回のコンサートにも参加させて頂けました。ゲイとして活動を開始したこの一年の間に様々な出会いがありましたが、その多くは音楽が導いてくれたものです。
今回のイベントのテーマである「U=U」も、演奏会への参加をキッカケに知りました。HIVウイルスに感染しても、適切な治療を受けることでパートナーへの感染リスクを限りなく低く抑えることができるというものです。こういった知識を得る上でも、重要になってくるのはやはり、コミュニティや人との繋がりなのかなと感じます。
僕らには友達や仲間が必要ですし、広く社会との関わりを持ち続けることも必要です。その上で、音楽はひとつの機会になり得るのかもしれません。他人同士でも、理解しあい、呼吸を合わせ、一緒に歌うことができれば……僕らはもっともっと、自由に生きていけるのかもしれないですね。
「コーラスに初めて参加して」 ナベ(49歳会社員)
「コーラス?超やりたい!」すみません、参加の動機はこんな軽いものでした。経験は全くありませんでしたが、練習では和やかな雰囲気で丁寧に指導してくださり、自習用の音源を用意してくださったおかげで、楽譜が読めない私でもついていくことが出来ました。男声合唱は迫力があって、ハモると、とっても気持ちいい!「上を向いて歩こう」など心に響く名曲はグッときました。練習の時からずっと楽しかったです。
本番ギリギリまで練習して、いよいよという時、少し緊張しました。何故かというと、自分がゲイとして人前に立つのが初めてだったからです。普段、会社ではゲイであることをオープンにしておらず、どちらかというと、バリアを張って生きて来ました。そんな自分が今、ゲイコーラスに参加している。自分のセクシャリティーに悩んでいた数十年前ならあり得なかったことです。同じ仲間に囲まれ歌を歌う。客席の笑顔と暖かい手拍子、とても嬉しくなりました。自分も世の中も、少しずつ変わっている。多様性が尊重されはじめ、情報としてゲイは身近な存在となりつつある。それは、このイベントのように、色々な方々が正確な情報を伝えてきてくれた、その積み重ねでもあると感じました。このイベントの趣旨についても、改めて考えさせられました。今回参加させていただいて本当に良かったです。お世話になったみなさまに心から感謝いたします。